結婚1周年、紙婚式(かみこんしき)。英語では Paper Wedding、Paper Anniversary。
結婚して初めての記念日に、何をするか。 まだ決まっていないなら、先に決めておくとよいことがあります。
贈りものの目安と定番から見て、そのあとに「紙」という名前の由来を置きました。
一この日のおすすめ
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二1周年のうちに決めておくと、後が楽になること
決めておくとよいことが2つあります。
ひとつは記念日の日付です。何を結婚記念日にするかは夫婦で決めるもので、婚姻届を出した日にする場合と、結婚式を挙げた日にする場合があります。両方の日付がある夫婦は、最初の1年のうちにどちらかに決めておくと、次の年から迷いません。
もうひとつは祝い方の程度です。1周年にやったことは、良くも悪くも次の年の基準になります。最初に張り切りすぎると、翌年それを下回ったときに物足りなくなる。控えめに始めれば、少しずつ積み上げる余地が残ります。
紙婚式は、これから続く記念日の1回目です。その年だけを特別にするより、毎年続けられる形を決めておくほうが、長い目で見れば効いてくると思います。
三プレゼント相場の考え方
調べると3,000円と5万円が同時に出てきますが、どちらも間違いではありません。数えているものが違います。
プレゼント相場は、3,000円から10,000円。老舗の漆器店と三越伊勢丹が、どちらもこの範囲を挙げています。結婚1周年は、結婚式や新婚旅行、引っ越し、出産などの出費が重なりやすい時期なので、無理のない金額に落ち着くのだと思います。
一方、記念日全体の予算を指す場合は、食事や花束までまとめた金額になります。ギフトの通販サイトは、食事・プレゼント・花束・ケーキを全部込みにして2万円から5万円が中心だとしています。ホテルでの宿泊まで入れれば、もっと上がります。
| 何の金額か | 目安 |
|---|---|
| プレゼント相場 | 3,000〜10,000円 |
| 記念日全体の予算 | 2万〜5万円 |
「相場は3,000円らしいのに、うちは5万円かかった」というずれは、たいていこの2つの取り違えから生まれます。
四何が定番とされているか
紙にちなんだものと、そうでないものの両方が挙がっています。
老舗の漆器店は、紙にちなむものとして次のようなものを挙げています。手紙やカード、日記や手帳、写真アルバム、ブックカバーやしおり、レターセットなど。変わったところでは、和紙の繊維を使ったシャツのような衣類もあります。
紙にこだわらないなら、花束、アクセサリー、レストランでの食事、旅行。
紙製品でなければいけない理由はありません。 名前の由来については後半に書きましたが、どの説が正しいと言い切れる資料は見つかりませんでした。手紙だけ添えて、本体は相手の欲しいものにする。これがいちばん現実的だと思います。
五「贈ってはいけないもの」は、夫婦の間ではあまり気にしなくていい
紙婚式の記事では、贈ってはいけないものとして刃物・割れ物・ハンカチ・櫛が挙げられていることがあります。刃物は縁が切れる、ハンカチは漢字で「手巾」と書いて手切れを連想させる、櫛は「苦」と「死」の語呂合わせ、といった理由です。
ただ、これらはもともと、第三者が新郎新婦に結婚祝いを贈るときのマナーとして言われてきたものです。夫婦がお互いに贈り合う記念日のプレゼントに、そのまま当てはめる必要はありません。
三越伊勢丹のマナーガイドでも、刃物や割れ物について、今は縁起よく受け取る見方もあるとしたうえで、相手が希望するなら問題ないとしています。
実際、夫婦ならお互いの欲しいものは分かっているはずです。パートナーが包丁を欲しがっているなら、語呂合わせを理由に外すことはありません。
気をつけたほうがいいのは、ご両親や義理の家族から夫婦へ贈られる場合や、夫婦から目上の方に何かをお返しする場合。ここでは昔ながらのマナーが生きてくるので、相手が慣習を大事にする方かどうかで考えてください。
六なぜ「紙」と呼ぶのか
ここからは、記念日の意味づけの話になります。Wikipedia には書かれていない部分なので、贈りものを扱う事業者の記述によります。
まず、白紙にたとえる説があります。まだ何も書かれていない真っ白な紙のように、これから2人で歴史を書き込んでいく。老舗の漆器店は、2人の将来が白い紙のように希望に満ちていて、家族として思い出を描いていくもの、と説明しています。
ギフトの通販サイトは、別の説も挙げています。紙のように薄く、破れやすいという見方です。まだ絆が脆いからこそ、この1年を大切にという戒めの意味が込められている、と読み解く人もいる、という書き方をしています。
ただ、名前の付き方そのものを追っていくと、もう少し素っ気ない事情がありそうです。
結婚記念日の呼び名はイギリス式がもとになっています。1周年から5周年ごろまでは、紙・藁や綿・革・花・木と、身のまわりにある素材が並びます。そして25周年からは、銀・ルビー(40周年)・金(50周年)・ダイヤモンド(60周年)と貴重なものになります。
この並びを見ると、紙が1周年に置かれているのは、いちばん身近な素材が最初に来たからとも考えられます。白紙の話は、その名前にあとから重ねられた意味なのかもしれません。
それでも、まっさらな紙にこれから2人で書き込んでいく、という読み方は1周年によく似合います。
どの説が正しいのか、はっきり書いてある資料は見つかりませんでした。この記事では、いくつかの説があるものとして扱います。
七紙はどんなものか
名前の由来とは別に、素材そのものの話も見ておきます。
Wikipedia の「紙」によれば、紙は植物などの繊維を絡ませながら薄くたいらに成形したものです。『後漢書』に、105年に蔡倫が樹皮やアサのぼろ、漁網などを使って紙を作り、和帝に献上したという記述があります。
目を引くのは、次の一文です。紙の作り方は、古代中国で発明されて以来、基本的には変わっていない。
同じ項目は、紙を作る手順を3つに整理しています。植物繊維を取り出す。紙をすく。脱水・乾燥する。 2000年近く、この順序が続いていることになります。
八そもそも結婚記念日はいつからあるのか
結婚記念日を祝う習慣はドイツで始まったとされ、ヨーロッパ全体に広まりました。最初の銀婚式が1624年、金婚式が1860年といわれています。発祥をイギリスとする資料もあります。
ドイツ説をとる資料によれば、最初は25周年と50周年だけで、1周年の紙婚式はあとから加わったことになります。
日本では、1894年(明治27年)3月9日の、明治天皇と昭憲皇太后の大婚25年祝典が最初とされます。それ以来、銀婚式や金婚式の習慣が一般に広まりました。
そして、年数ごとに細かく名前が付いた背景のひとつには、宝石業界の販売戦略がありました。国によって記念年の決め方も違い、フランスでは1周年から80周年まで全部の年に名前があります。
つまり記念日の名前は、国や時代によって増えたり変わったりしてきたものです。日本で定着しているのは、25周年の銀婚式と50周年の金婚式。ほかの年は、習慣としてはそれほど広まっていません。
だから「1周年は紙婚式だから必ず何かしなければ」と構える必要はありません。祝うきっかけとして使うくらいが、ちょうどいいのだと思います。
九欧米には、ケーキにまつわる習慣がある
日本ではあまり知られていませんが、欧米には1周年に結びついた習慣があります。結婚式で使ったウェディングケーキのいちばん上を冷凍しておき、1周年に夫婦で食べるというものです。19世紀のイギリスにさかのぼる習慣で、もとは、はじめての子どもの洗礼式に食べるものでした。
当時のウェディングケーキは、みっしりと詰まったフルーツケーキ。これなら長く保存できました。
いまは事情が違います。凝った風味やクリーム、飾りを重ねたケーキが主流で、保存の向き不向きが分かれます。海外のウェディングメディアによれば、多くのパン職人は保存期間を6か月までとするそうです。 1年おくと、冷凍していても風味は少し落ちます。とくに生クリームを使ったものは、冷凍庫の中で乾きやすいとのこと。
そのため現地のウェディングメディアでは、1周年に同じ店で小さく作り直してもらう方法が代替案として勧められています。同じ記事は、この習慣を飛ばしても縁起が悪いわけではない、とも書いています。
生クリームのデコレーションケーキが主流の日本なら、こちらのほうが向いていそうです。同じケーキをもう一度味わう、という習慣の心は、そのほうがきれいに残ります。
名前の由来も、欧米の習慣も、選んだあとに意味を足してくれるものです。先に決めるべきは、来年も再来年も同じようにできる形のほうだと思います。
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よくある質問
- 結婚1周年に何もしないのは変ですか?
- 変ではありません。何をするかに決まりはなく、食事だけでも、贈り物だけでも構いません。ただ1周年は、これから毎年どうするかの基準になりやすい年です。今年やったことが翌年の前提になるので、続けられる範囲にしておくと後が楽になります。
- 夫婦で贈り合うものですか?片方だけでもいいですか?
- 決まりはありません。ただ、最初に「贈り合うか、食事だけにするか」を話しておくと、翌年以降に迷わずに済むと思います。
- プレゼントは必ず紙製品にしないといけませんか?
- その必要はありません。紙という呼び名は、イギリス式の呼び方で、1周年から5周年ごろまでに身のまわりの素材を並べたときの、いちばん最初にあたるからではないかと思います。紙そのものに特別な由来があるとは限らないので、手紙やアルバムのように紙にちなんだものでも、まったく関係ないものでも構いません。
- いつ渡すのが一般的ですか?
- 老舗の漆器店は、記念日の当日か、その前後の休日に渡す形を挙げています。そもそも何を記念日にするかも夫婦次第で、婚姻届を出した日にする場合と、結婚式を挙げた日にする場合があります。両方の日付がある夫婦は、最初の1年のうちにどちらかに決めておくと、次の年から迷いません。